春分
異常気象と言われるここ数年ですが、2月のうちに20度を超える日もあった東京。その翌朝の気温は5度だったりと、本当に気温のアップダウンに悩まされる事が多くなりました。それにより人間の免疫力も弱まってきているのか、インフルエンザA型、B型、コロナウイルスと、いつも何かの風邪が流行っているような状態です。日本といえば、四季がはっきりしていて、その季節ごとの祭事で、ご先祖様から受け継がれる生活の知恵を知ったり、趣きを味わう文化がありますが、あえてフォーカスしないと忘れてしまいそうになるのは私だけでしょうか?
今回のメル知恵では、そんな季節を感じさせる「春分の日」について、深掘りしたいと思います!
「春分の日」は、太陽の動きに基づいて計算され、昼と夜がほぼ同じ長さになる日を指します。そして「春分の日」は、元は旧法にあった「春季皇霊祭(しゅんきこうれいさい)」から改称されました。春季皇霊祭は、現在でも行われている宮中祭祀の一つで、第二次大戦以前の日本では非常に重要な儀式の一つでしたので、国民の祝日になった訳です。春分の日は、太陽が真東から出て真西に沈む日になりますが、一つの仏教の考え方として、極楽浄土は西方にあるというものがありますので、「此岸と彼岸が最も通じやすい日」と考えられ、春分の日である中日を中心に、春彼岸(※1)として、ご先祖様の供養を行うようになりました。春分の日の祝日にお墓参りに行かれる方も多いのではないでしょうか。
※1
2024年は3月17日が彼岸入り、中日が春分の日の20日、23日が彼岸明けとなります!
春分とは、二十四節気の一つで、春の中間に当たります。古来より、自然をたたえ、生物をいつくしむ日とされていますが、農業が中心だった時代、農作物の作付けや収穫を行う時期を見極める事はとても大切でした。その為に時節を細分化して作った暦が二十四節気ですが、今でも、この春分を目安に、農作業を本格的に始めることが多いのだそうです。現代の私達も、太陽からの日差しが暖かく感じられるようになり、草木が徐々に芽吹くのを見ると、思わず「春だなぁ」と口にしてしまいますし、ワクワクしてきませんか?地球と、植物も動物も、もちろん人間も、全てが本当に繋がっているのだなぁと感じる貴重な瞬間ですよね。
春の訪れを祝うのは、もちろん日本だけではありません。世界的に見ても、春分の日を境に、春を祝うお祭りや行事を開催する地域が多いようです。
キリスト教圏では、復活祭=イースターが盛大に行われます。イースターとは十字架にかけられて処刑されたキリストが復活した日のことを言い、キリスト教徒にとってはとても大切なお祭りです。イースターにはもう一つの意味があり、春になり、冬眠から目覚めた動物たちが動き始めたり、植物が再び芽吹き始めるのを祝うお祭りでもあります。基本的に春分の後の、最初の満月の次の日曜日に行われると決まっています。ヨーロッパでは「Happy Easter !」と言い合いお祝いし、復活祭の前日の「Good Friday」と、復活最後の「Easter Monday」はお休みになります。
中国では春分に、太陽神を祀る行事が行われ、太陽神に小さな丸餅「太陽糕(たいようこう)」をお供えするようですし、卵を立てるという風習もあるのだとか。卵というと、イースターエッグもありますし、大変似ています!いずれも、卵は「生命が生まれ出るもの」というところから、「始まり」という意味で用いられているのでしょうね^^
イランや中央アジアを中心に広い地域で行われているノルワーズという祭事は、春分に行われており、ノルワーズは、ペルシャ語で元旦を意味します。
こうやって考えると、時差こそあれ、同じように春を迎える喜び、何かが始まる喜びは、全世界、宗教に関係なく、共通なのかもしれません。戦争や抗争が色々なところで起きている今の地球ですが、自然を感じながら、皆が穏やかに過ごし、春を祝える時が早く来ることを祈らずにはいられません。
ではでは、また(^o^)/